クリニカルラダーⅠ:新人看護職対象 4月
~火災発生時どのように動くか?・・・想像しよう~
- 目 的
- 災害拠点病院一員としての認識ができる。
火災発生時の対応がイメージできる。
- 目 標
- 災害・災害看護の基礎がわかる。
火災発生時にとる行動が理解できる。
火災発生時のシミュレーションを行う際に必要な物品を集めることができる。
- 内 容
- ①災害・災害看護の基礎講義
②火災発生時の必要物品をイメージし各部署から持参する
③持参したものをどんなことに使えるかを想像してみる(本来の目的以外にも)
④火災発生時対応DVD視聴
⑤全体で共有
ラダーⅡ・Ⅲ 7月、ラダーⅣ・Ⅴ 1月
~大規模災害発生時当院の役割・対応を机上シミュレーションで学ぼう!!~
~多数傷病者受け入れ時のシミュレーション~
看護部では毎年行う防災訓練で多数傷病者受け入れ訓練を体験し自分の動きを行動レベルで考える機会としている。しかし、病棟での交代勤務者は夜勤もあり、訓練参加が難しい現状がある。出来るだけ多くの看護スタッフに訓練の体験をしてもらう事を目的に多数傷病者受け入れシミュレーションを行っている。
- 目 的
- 災害拠点病院としての役割を認識する
災害時の混乱を体験し自らが取りうる行動をイメージする
- 目 標
- 災害拠点病院の一員としての役割を1つ以上述べることが出来る
CSCAを前提とした災害時の行動を1つ以上述べることが出来る
- 内 容
- ①災害・災害看護の基礎講義
②トリアージタグを傷病者とみなし、院内をイメージできるようホワイトボードにトリアージポスト、初療、ICU、手術室、病棟、本部を作成。災害発生時の動きをシュミレーションする。
③グループワーク
院内災害時トリアージナース育成
毎年1次・2次トリアージ研修、フォローアップ研修(訓練直前)を行っている。災害発生時にトリアージを行う人材の育成は急務であり、トリアージタッグの記載内容の理解や共通認識の教育が必須である。防ぎ得た災害死を1例でも減らすため、現場で救急隊員が何にフォーカスを当て観察し搬送しているか、トリアージタッグから瞬時に状態を班暗視、院内搬入トリアージから救護所、そして必要な治療へと命をつなぐためトリアージナースの育成を継続する事が重要であると考えています。
看護職員数:450名のうち認定トリアージナース85名(平成28年4月1日時点)
※1次トリアージ(START法)
- 講 義
- ①START法とは
②トリアージタッグの記載方法と記載内容について
- 演 習
- ①例題を示し、赤・黄・緑・黒のカードを用いてトリアージの判定を行う
②人型を使用し、想定を付与して2人1組でトリアージとタッグに記入を行う
③最後に○×の札を使用して、クイズ形式でトリアージの復習を行う
- 研修会後のアンケート結果
- ① 災害拠点病院の看護師として災害看護の知識が深まった
② トリアージの必要性が理解できた
③ トリアージタッグの内容の理解やトリアージの介助がわかった
④ 消防との共通認識にも役立つ
⑤ トリアージが日常業務のアセスメントに活かせる
毎年度行われる災害訓練の中でトリアージナースが積極的に活動できるよう配置場所を考慮し、
フォローアップ研修を災害訓練直前に行う事でスキルの維持・向上を図っています
※トリアージナースフォローアップ研修
ムラージュ&演技指導
委員会では2013年度よりムラージュ(傷病をより効果的に見せるための化粧)学習会を行ってきた。年1回行われる防災訓練では、看護部災害対策委員会のメンバーが傷病者役の町内会の方やボランティア、スタッフにムラージュを行っている。ムラージュと共に演技指導を行う事でよりリアルな傷病者となり、訓練を充実させています。
学会発表実績
- アクションカードを有効活用するための教育システム構築に向けた取り組み
(日本看護学会)
◎佐藤恵美 千葉美子 黒滝いずみ 茂森智 樫田真喜子
- 院内災害トリアージナース育成研修会を維持していくための取り組み
(日本災害看護学会)
◎村井純子 樫田真喜子
- 看護師が体験した防災訓練のリアリティーと今後の課題
(日本災害看護学会)
◎藤田奈穂・佐藤恵美 大橋美雪・中村教子・千葉美子
- 災害看護研修会実施後の地域連携の実態調査と課題
(日本災害看護学会)
◎谷川賢二 千葉美子
- 災害看護教育
(日本災害看護学会)
◎谷川賢二 千葉美子
- トリアージナース育成
(北海道救急医学会救急隊員部会)
◎黒滝いずみ 村井純子
- 地域における災害看護教育
(北海道救急医学会救急隊員部会)
◎谷川賢二 千葉美子
- 親子で学ぶ災害看護研修会の実践報告
(北海道救急医学会救急隊員部会)
◎谷川賢二 千葉美子
- クリニカルラダー別災害看護教育の実際
~シュミレーション企画を取り入れた有効性~
(日本災害看護学会)
◎谷川賢二 千葉美子
- 災害発生時の看護スタッフ参集マニュアル
(集団災害医学会)
◎江村千春 千葉美子
- 院内災害トリアージナース育成への取り組み~フォローアップ研修でのシミュレーションを訓練に活かす~
(集団災害医学会)
◎村井純子 黒滝いずみ
- シミュレーション学習を取り入れた教育研修の実施と災害訓練への効果
(日本災害医学会)
◎藤田典子 三浦夕貴
- ムラージュ学習と演技指導研修を通して、リンクナースが得た学び
(集団災害医学会)
◎藤田萌子 谷川賢二
災害支援ナース
災害支援ナースとは、看護職能団体の一員として、被災した看護職の心身の負担を軽減し支えるよう努めるとともに、被災者が健康レベルを維持できるように、被災地で適切な医療・看護を提供する役割を担う看護職のことです。都道府県看護協会に登録されています。災害支援ナースによる災害時の看護支援活動は、自己完結型を基本としており、自律した看護能力を必要としています。 当院は、現在11名(2019年2月1日現在)登録しており、災害拠点病院として地域・社会貢献の一環として不測の事態に対応できるよう準備を行っております。今後も定期的に研修を受講し、新たな災害支援ナースを登録していく予定です。
2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震において、当院の看護師2名も9月25日より5日間厚真町に設置された避難所で活動させていただきました。
メディカルストリート写真展示
例年災害訓練後に、参加時に撮影した状況を外来メイン通路(メディカルストリート)へ展示し、広報活動とさせていただいております。
災害拠点病院としての活動だけでなく、実際の活動に説明文をつけて展示することで、外来通院される患者様の興味を引いています。