2024.10 らいふNo103
小児科医師 小林徳雄
交通事故、水での事故など、外の世界はお子さんにとって危険がいっぱいです。でも、安全なはずの家庭の中にも危険はあります。すでに充分気をつけていらっしゃるとは思いますが、一緒に確認していきましょう。
おぼれる事故を経験した保護者の8割以上が「悲鳴や助けを求める声が聞こえなかった」とも言われます。
こどもは声を出さず、静かに沈みます。たった3cmでも、乳幼児はおぼれます。
赤ちゃんは口や鼻をおおったものを自力で取ることができません。思いもよらないもので窒息する可能性があります。危険なものは、周りから遠ざけてあげましょう。
生後7~8カ月頃から急増し、3~4歳頃までよくみられます。特に10カ月くらいになると、手にしたものを何でも口に運びます。もしも起こってしまったら、いつ、何を、どれだけ飲んだか急いで確認を。咳き込みがあれば気管・気管支に詰まっているかも。吐き気やおう吐がある場合、食道・胃に入ったかも。
乳児は全身に対して頭が大きく重いので、転倒・転落すると頭を強く打ちやすいことを覚えておきましょう。階段、ベッド、遊具、イスやソファー(まだ寝返りをうたない時期でも転がって落ちます)などから転落します。2~3歳になると自分で踏み台を使って上れる場所も増えますので、高さのあるベランダや窓からの転落も起こります。
熱い液体(ポット、コーヒーメーカー、カップ麺、味噌汁、お茶など)の取扱いには注意が必要です。炊飯器の蒸気口に手を当てる、炊きたてご飯に手を突っ込む、魚焼きグリル のふたに触る、コンセントに差してあるプラグをなめるなど、こどもの思わぬ行動が熱傷へとつながります。
こどもは体温調節機能が未熟で熱 中症になりやすいので、気をつけてあげましょう。
こどもは好奇心旺盛で、時には大人では考えつかないようなことを起こしてしまいます。小さなものを目や耳や鼻の中に入れて取れなくなることがあります。また、こどもは怒られるのを恐れて取れないことを話したがりません。いつもと違う仕草に気がついたときは「何か入れた?」、入れたとしたら「何をいつ頃入れた?」と優しくたずね、正確な情報を集めましょう。
こどものことでお困りでしたら、かかりつけ医へご相談ください。